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同断
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大平記同様
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一
涙の玉詞をみがき句々に真理の法義をのべ
られしかは。尊伐盛に三がいのくりんをいでゝ。直
に四とくの楽朝にいたり給ひけんと哀れ成し
事共也。さるほどに今年はいかなるとしなれば
京都と鎌倉と相おなじく。柳宮の連枝忽
に同様空しくかれ給ひぬれば。たれか武将に
そなはり。四海の乱をもおさむべきと。危き中
に愁有て。世上いまはさてとぞ見えたりける
細川右馬のかみ西国より上洛の事
こゝに細川右馬の頭頼之。そのころ西国の成敗
を司どつく。てきを亡し人をなつけ。諸事沙汰
の遥激少し。先代貞永貞応の旧記に相にたり。
と聞ける間。則天下の管領職にすへしめ。御幼稚
の若君を捕佐し奉るべしと。群議同じおよむ
きに定まりしかば。右馬のかみ頼之をむさし
の守に補任して執事職を司どか。外相内法遣
にも人のいふに違はざりしかば。氏族もこれを
重じ。外様もかの命を背かずして。中夏無為
の代に成てめでたかりし事共なり
太平記巻第四十終
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太平記の印板世間に数多あり
といへ共諸本往々に誤多し故金
諸家の秘本を求め色道の千附
其夜合を遂け新に開板せしむる者也
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元禄拾壱年
戊
○寅正月十一日
洛陽書林等
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一
たのんて。やがて打出給ひけり。驢酒の国ふじの
すそ野にいたる。其国の凶徒此野に鹿おほく
候。独してあそばせ給へと申ければ。尊すなは
ち出てあそび給ふに。凶徒等野に火をつけて
尊を焼ころし奉らんとしける時。はき給へる
天のむら雲の剱を抜て。草をなぎ給ふに。荊草に
火付てをびやかしたりけるに。尊は火石水石と
て二の石をもち給へるが。まづ水石をなげかけ給
ひたりければ。すなはち石より水出てきえてけ
たりすと。とねからず
り。又火石をなげかけ給ひければ石中より火
出て凶徒おほくやけしにけり。それよりしてぞ
其野をは天のやけそめ野とぞ名づけゝる。むら雲
の剣をば。草薙剣とぞ申ける。尊ふりすて給
ひし岩戸姫の事わすれがたく。心にかゝりけれ
ば。山後江復といふ共志のよしを。かの姫にし
らせんとて。火石水石の二の石を駿河の冨士
のすそ野より。尾張の松子の嶋へこそなげ
られける。かの所の紀大夫といふ者のつくれる
田の北の耳に火石はおち。南の耳に水石は
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―十一日朝にて
○名義并来澄理尽抄に出たり
凡此書名をあらたむる事四度。初に自安老来由
記といふ。こゝろは序語に約して也一部の都合み
なあ危来由を記して後昆のいましめとす此ゆへ
にいふなり。二つには国家治乱記と号す此書をさと
するときは大なるは国の治乱を思量し小しきな
なは家の治乱を思重せんこのゆへにいふなり三つに
は国家太平記と号す。こゝろはまへに同じ。太平を
いふ事は当時の祝なり。南朝の正平の作者かくのこ
といふり。四つもいしやう
とく称す。又太平の号は延文の比あらためて号す
ともいへり。四つには天下太平記と号す応あせ中細
川武蔵入道常久申す此書の号南朝の治乱等の
号をすて当代を賀し奉らんにおゐては何そ国家
と申されしより。時の学才の人等。天下太平記と号
といはんや。同じくは天下太平とこそあらまほしけれ
する也。其比京童のいはく天下太平記とあらた
めしより南朝の威を失ひ天下の朝敵をのづから
天下の名見あり
ほろびて。まことに天下太平に成しと云拙きかな。
天下の治乱何ぞ此書の名の善悪によらんや。真実は
武蔵入道聖賢の道を修し。無欲に天下の改道
をあひはかり自を思ふこゝろなきゆへに四海日に随て
ゆたかになりしなり
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此書は去る建武の比主上二條の馬場殿にて御遊あ
り。諸卿武臣堂上台下には新田義貞をめして。
飽有てのたまはく。文治より此かた数百余年東夷威
を重くして。天下に普し。朝家のはいたい日に益
たり。故に代々の天子も。かれを亡し帝徳を四海に
てらさんと。敬慮をめぐらされしか共。事ならずして却
上なひける也実が代にむらん
て皇居を遠島にうりされ給ひ。又は勢微にして。黙
止給ひけるに。朕が代に至て逆臣忽に滅して王法。も
とのごとし。且は彼代のため。且は当時の悦ひ種共成べし
然らは義貞が鎌倉を攻していたらく。高氏が六はらを
天子の五武曽天の下に黒さたいんにおほ
滅せしありさま記し置せばやと仰らる。時に義貞
天子の御徳普天の下に照さゝらんにおゐては臣等何ぞ
尺寸のはかりことを以て。大敵の勇をくだき侍らんや
と勅答申さる。日数へて彼万里小路藤房卿勅を年
の滅亡を記す。次に高代直義に去して彼
はつて。北畠の玄両に仰す。玄恵義貞に。兵して鎌倉
に六けの滅亡を記す。今の九十の両巻是也。王上叡感
の滅亡を記す。次に尊氏直義に去して彼隠謀并
有て玄恵を三品の僧部になさる時に天下の武臣是を
伝聞て。元弘に有功のものは。我功のかくれて此書に顕は
れざる事を恨み。無功のものは是をうらやましとす。こ
れによつて重ねて玄慮に命を下して。まづ正成が武功
を記せしめ給ふ。又玄恵藤房卿に兵して。笠置の戦上
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大平記序
蒙竊に。古今の変化をとつて。安老の
来由を見るに。覆て外なきは天の徳
也明君これに体して国家をたもつ。
載て棄ることなきは地の道也良臣こ
れに則て社稷を守る。若夫其徳歓る
ときは。位ありといへども持たす。所謂
夏の禁は南巣に走り。殷の紂は牧野
に敗らる。其道違ふときは。威ありと
いへども久しからず。曽聴趙高は感陽
に刑せられ。禄山は鳳翔に亡ぶ。是を以て。
前亜慎むて法を将来に垂ることを得
たり。後昆顧て。誠を既往にとらざらんや
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